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残業代ゼロ提案・城繁幸氏の大間違い

 産業競争力会議で示された、例の「残業代ゼロ提案」の規制緩和問題について、城繁幸氏が見当違いなことを書いている。

 残業チキンレースにそろそろサヨナラしよう!  http://bylines.news.yahoo.co.jp/joshigeyuki/20140425-00034778/

 この中で城氏は、「そもそも労働時間で給料を決めること自体が時代遅れ」と言っているが、現在の労働基準法の時間外割増賃金は“労働時間で給料を決める”制度ではない。労働時間で給料を決めるのは、いわゆる時給制であって、コンビニやファストフードの店員によく見られる制度である。
 現在問題にしているのはホワイトカラーであるが、ほとんどのホワイトカラーは時給制ではなく、労働時間そのもので給料が決まっているわけではない。

 残業代とは、労働時間で給料を決める制度ではなく、一定の法定労働時間(一般的には1日8時間)を超えた場合に、使用者に対するペナルティとして割増賃金を払わせる制度にすぎない。

 なぜこのようなペナルティがあるかといえば、労働者の健康や生活のため、法定労働時間を定めて上限を規制し(例外というか抜け道はある)、それを超えた場合のペナルティとして、割増賃金の支払いを使用者に義務づけているのである。

 城氏は、
  「おそらく、多少手取りが減ったにしても、エンドレスな残業チキンレースはやめて定時で帰れればそれでいいという人の方が多いのではないか。 みんなが「労働時間=賃金」という発想を捨てれば、無駄な残業時間は間違いなく減るはずだから、時間当たりの賃金は上がることになる。その上で、各自が時間ではなくホワイトカラーとしての実のある成果に注力することが、日本人の低迷する生産性を引き上げる鍵だろう。」
 というのだが、これは今の法制度でも十分可能である。仕事の効率が良くて1日8時間未満で仕事が済んで成果を上げられる人がいるなら、そういう人をそれぞれの会社がそれなりに給料で不利にならないように(あるいは有利になるように)評価する制度にすれば良いのであって、これは法改正など必要ない。「仕事が8時間未満で完了して退社する場合でも賃金が減らないようにする」というのは、各企業が自由にやれるのである。

 今問題となっている規制緩和は、これとはまったく別次元の問題であって、仕事が多くて1日8時間で終わらず、10時間や15時間働いた場合でも、一切残業代を出さないという制度を導入しようとしている。

 このように、異なった次元の問題を(意図的に?)混同しているのが城繁幸氏の主張にしばしばみられる特色である。読者はくれぐれも騙されないようにしなければならない。

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