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犯罪予防に役立たないなら刑罰は不要なのか?

 刑法の教科書を見ると、どれも「刑罰制度の目的は犯罪予防である」等と書かれている。このような考え方を「目的刑論」と呼び、現在では主流の考え方である。犯罪予防には「一般予防」と「特別予防」があるとされる。 論者によってニュアンスの違いはあるが、刑罰制度によって社会一般の人間が犯罪を犯すのを(できるだけ)抑止することが「一般予防」であり、犯罪を既に犯した人間が再犯するのを(できるだけ)抑止することが「特別予防」である。  

 ところで、犯罪予防が刑罰の目的だとすれば、犯罪予防に効果が無い刑罰は科するべきではないのだろうか。 ここで純粋な思考実験として、以下の仮定をおいてみよう。

①すべての人間は、一生の間に犯罪を二回以上は決して行わない。犯罪をする回数は、ゼロ回か一回のいずれかである。

②ある人間が何らかの犯罪を犯すかどうかと、刑罰制度とは、一切関係がない。

①は特別予防が成り立たないという仮定であり、②は一般予防が成り立たないという仮定である。 目的刑論の立場に立つならば、上記の仮定が成り立つような社会では、刑罰は犯罪予防に役立たないのだから、刑罰に存在意義はなく、どのような凶悪・重大な犯罪を犯した人間に対しても、一切刑罰を科するべきではないということになる。通行人100人を惨殺した人間にも、鉄道やビルを爆破した人間にも、いかなる刑罰も加えてはならず、死刑だけでなく、懲役刑も罰金刑も科するべきではないということである。

 刑罰を科しても科さなくても犯罪予防の効果に何の違いもないのなら、いっさい刑罰なしで問題ないではないかと言われれば、反論するのは難しいように思えるが、果たしてそれで良いのかどうか。感情的には納得しがたいようにも思えるが、それは単なる感情論でしかないのだろうか。いずれ機会を改めてまた考えてみたい。

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