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2014年8月

「コンクリートから人へ」というスローガンの有害さ

今はもう取り上げられることもなくなった言葉だが、鳩山内閣の時に「コンクリートから人へ」というスローガンが唱えられていた。

 要は、公共事業費を減らして、教育や子育てなどの予算にあてるということだが、普通に考えてみれば、いくら単純化したスローガンとはいえ、この言い方はおかしい。

 当たり前の話だが、公共事業で“ばらまかれた”金を受け取るのは、ゼネコンの経営者から現場の労働者に至るまで、公共事業に携わっている「人」である。別に「コンクリート」そのものが金を受け取るわけではないし、金をコンクリートに埋めて捨てるわけでもない。そして、公共事業関係者が受け取った金は、さらに世の中に広く流れていくのである。公共事業向けの予算を削減すれば、当然、需要や雇用に響くことになるし、失業率を増大させることにもなりうる。

 もともと“リベラル”と呼ばれるマスコミを中心に、公共事業を蔑視・敵視したり、公共事業そのものが悪であるかのような言説が一般に垂れ流されてきたと言えるが、「コンクリートから人へ」という無神経なスローガンも、そういう感覚の延長で作られたのかも知れない。

 公共事業を削減したことで、需要が減退し失業率が上昇して、生活保護に頼る人間が増えたとすれば、それはある意味、「コンクリートから人へ」を実現させたということになるだろう。公共事業に関与する建設業者(=「コンクリート」)を介在させず、直接、生活保護申請者(=「人」)に対して公的な資金を渡すことになるからである。

 鳩山内閣の唱えた「コンクリートから人へ」とは、結局、「公共事業から生活保護へ」ということであった。役所に来た生活保護申請者に直接金を渡すのであるから、まさに「人へ」ということである。

配偶者控除廃止で低収入の働く女性が救われるわけではない

朝日新聞の連載記事「女が生きる 男が生きる」で、本日は扶養控除などの問題を取り上げていた。記事の中では大和総研の試算を援用しつつ、

 「妻の年収が129万円から1万円増えただけで、16万円近く手取りが減る『働き損』になる。
 年収129万円と同じ手取りになる『損益分岐点』は150万円台後半。200万円以上稼がないと、割が合わない。」

と述べている。

 そして、記事の論調としてはおおむね、配偶者控除は女性の社会進出にとってマイナスであるという方向である。 

 しかしながら、配偶者控除を廃止したところで、今現在年収130万円や140万円の主婦がいる世帯の手取りが増えるわけではない。ただ単に、今現在年収ゼロや50万円や100万円の主婦がいる世帯の手取りが減るだけである。つまり、配偶者控除のメリットを受けている女性・世帯の手取りが引きずりおろされるだけであって、配偶者控除のメリットを受けていない女性・世帯の手取りは別に増えることはなく、現状と何も変わらない。

 配偶者控除を廃止すれば何かが救われるわけではない。配偶者控除廃止は、専業主婦や129万未満の範囲でわずかに働く主婦を突き落とすだけであって、130万円や140万円や200万円で働いている女性を救ってくれるわけではないのである。 

 どうやら朝日新聞の主張としては、

 「専業主婦や、配偶者控除の範囲でしか働かずに生活できる女性は、男の扶養に頼っていてけしからん。そういう扶養を受ける女性が、女性全体の自立を妨げているのだ。女性が自立するためには、そういう男の扶養の恩恵を受けている女性は突き落とされ、苦痛を味わうべきだ」

ということのようである。

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