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電通の夜10時一斉消灯は無意味である

報道によれば、電通は、女子社員の自殺事件を受けて、夜10時以降、全館一斉消灯を始めたという。

電通、夜10時に全館一斉消灯…過労自殺受け

今回の電通に限らず、このような施策をする会社が時々見受けられるが、少なくとも電通の場合は、こういう外形的な部分で従業員を早く会社(の建物)から出て行かせるようにしむける施策をやっても、過労死や自殺を防止するための対策という点では、ほとんど意味がないと思う。

というのは、「夜10時に電灯が消されるから、もっと早く仕事を済ませて帰ろう」という判断をして、自分で業務時間の調整ができるような立場の人は、もともと過労死などする可能性は低いからである。逆にいえば過労死する人は、自分で調整できないほどの仕事量を抱えていたり、時間を問わず指示されたことをしなければならない立場にあったりすることが多い。

「時刻を決めて一斉に消灯をしないと、仕事がダラダラして居残ってしまう」という発想があるのだとは思うが、ダラダラ仕事して結果的に時間が延びているというだけであれば、そうそう過労死や自殺はしないものである。

そもそも電通の場合、クライアントとの打合せは会社の建物の外(クライアント側の事務所とか、その他の場所)でもできるだろうし、資料作りは家で出来るものもあるだろう。絶対的な仕事量が変わらない限り、夜10時以後、そのまま会社の建物の外部に仕事を持ち出すか、従来より朝早く出勤して仕事をするか、いずれかになるだけではないのだろうか。

私自身が企業に勤めて人事・労務関係の仕事についていた時の経験でいえば、本当に従業員の残業や過労を何とかしようと思うのであれば、仕事の内容や進め方そのものを見直す必要がある。どのようなタイミングにどのような量の仕事がどこからやってくるのか、それをどう割り振るのか、等々について取り組まなければ解決はできないし、実際にこれらの要素を見直すのは極めて困難である。

なお問題となった女性の自殺は、物理的な労働時間が長すぎたからというより、人間関係やパワハラ、セクハラなどの問題の方が大きかったのではないかと私は考えているが、こういう部分は客観的な“形”“証拠”には残らないので、表にはなかなか出てこない。わかりやすい「労働時間の長さ」の問題だけがクローズアップされている状態である。

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