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「日本語特殊論」の嘘

日本語の会話や文章では、主語を省略することが頻繁に行われる。この点に注目して、「日本語は主語が省略できる特殊な言語だ」という主張をする人が昔からいた。日本語特殊論というわけだが、これはいわゆる日本特殊論の一種でもある。

日本特殊論は、「日本は特殊ですぐれた文化を持っている」というパターンと、「日本は特殊で劣った文化を持っている」というパターンと、両方のパターンがある。「日本語は主語を省略することができるから、集団が簡単に一体化して協力しあうことができる」というのが前者の例であり、「日本語は主語を省略するから、曖昧になり、何事も無責任になりやすい」というのが後者の例である。

しかし主語を省略できるという特徴は、韓国語も同じであって、日本語と同じ程度に主語をはぶいた会話や文章が通用する。韓国も日本と同じような集団一体化の強みや無責任の風土を持っているということになるのだろうか。

さらに日本語には敬語があり、これが世界でも独特なものだという主張もある。しかしこれまた韓国語にも日本語に似た敬語表現がある。

また別な例をあげると、「象は鼻が長い」という言い回しが日本語にあり、主語が2つあるように見える構造だが、このような構造の表現は世界の中で日本語にしか存在しない…という主張をする人もいる。ところがこれまた韓国語にもあるし、さらに中国語でも、このような構文は頻繁に使われているのである。

巷にあふれる「日本文化特殊論」「日本語特殊論」にはいい加減なものが結構見受けられるので、充分吟味することが必要である。もちろん世界のどの国や文化にも、独特なものが何かしらあるから、日本文化や日本語に「特殊」な部分があるのは否定できないが、怪しい主張には惑わされないようにしなければならない。

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コメント

こんにちは。
象は「花」が長い は誤変換だと思います。
修正された方がよろしいかと思います。(修正後このコメントも消していただいて結構です)

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