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今こそ労働時間の記録を法律上の義務にしよう

電通の女子社員の自殺についての報道の印象がまだ生々しい中であるが、今度は、高浜原発の審査の対応をしていた関西電力の管理職の自殺(本年4月20日)について労災認定がなされていたというニュースが報道された 。4月の残業時間は150時間ほどとされているようである。
報道を見る限り、電通の事件の場合は単なる労働時間の長さにとどまらずパワハラ的なものもあったのではないかと疑いたくなるところがあるが、関西電力の場合は、まさしく長時間労働による過重な心身の負荷が主な問題のように思われる。

ところで過去の記事でも何度も触れてきたが、現在の労働基準法の中では、使用者がタイムカード等で労働者の労働時間を記録しなければならないということを明確に直接定めた条文はないということを、ここで改めて思い出しておきたい。

正確にいえば、厚生労働省の通達では、使用者がタイムカード等で労働者の出勤や退勤の時刻を記録するべきこととはされているが、これはあくまで行政の解釈であって、労働基準法という法律の中に、直接「使用者は労働時間を記録しなければならない」という規定の条文があるわけではないし、記録しなかったとしても、そのこと自体についての罰則は存在しない。
(ただし、法律上の制限を超えて残業をさせたり、残業代が支給されなかったりしたら、その場合はもちろん「違法」となる。このような場合は、労働時間の記録もまともに行われていないことが普通だろう。ただし、労働時間を記録しなかったという事実それ自体が単独で労働基準法違反になるというわけではない。)

過労死の問題に対する対策としては様々な課題があるだろうが、具体的な方策はさておき、まず何よりも、働く人間の現状を会社が把握していなければ話にならない。その意味で、行政の解釈のレベルではなく、労働基準法という「法律」のレベルで、労働時間の記録義務をはっきり法律上規定して、記録を怠ったり事実と異なる記録をさせるなどの行為には罰則もつけるべきである。
私がここで労働時間の記録を法律で義務付けよといっている目的は、時給や残業代を計算することではなく、何よりも働く者の健康管理のためである。従って一般の労働者だけでなく、残業時間の規制を受けず残業代も支給されないいわゆる管理監督者についても、一切区別せずに導入するべきである。

残業代支給についての議論は別にして、また労働時間の上限を厳格に設けるかどうかという論点もおいて、まずは、労働時間記録義務をはっきり法律=労働基準法で決めるべきである。残業代の支給のあり方をどうしようと、労働時間の上限をどうしようと、とにかく、新入社員も部長や課長も、労働時間がすべて記録されるようにするのが先決である。

経済界も、このことに対しては反対できないだろう。内輪のないしょ話はともかくとして、公の場で「労働時間を記録されると困る」などと堂々と表立って主張できる企業は存在しないはずである。

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