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潮匡人氏の「朝ドラ暗黒史観」批判について

 評論家の潮匡人氏が、iRONNAの「『べっぴんさん』もそうだった! NHK朝ドラ暗黒史観に油断は禁物」という記事で、NHKの朝ドラが戦前・戦中の生活を暗く苦しいものとして描くことが多いといって批判している。

たとえば現在放送中の「べっぴんさん」について、NHKの公式サイトのあらすじの紹介の

 「紀夫に召集令状が届き、お腹の子供を託されたすみれは、夫不在の中、娘のさくらを出産する。
 戦況が厳しくなり、近江の坂東本家に疎開するすみれとゆりだったが、おじの長太郎一家の態度は冷たい。
 そんな中、神戸で大きな空襲があったと五十八からの知らせが入る。
 昭和20年8月、終戦の日を迎えたすみれは、様子を確認するため、神戸に戻る。
 そこで目にしたのは、焼け野原になった街と、焼け崩れた屋敷の姿だった」

という表現をとりあげて、暗く重苦しい雰囲気が「あらすじ」からも伝わってくると言って批判している。

ただ、範囲の広い「戦前」はともかくとして(太平洋戦争でいえば1941年より前、日中戦争でいえば1937年より前が「戦前」であり、どこまで遡るかは問題である)、「戦中」は、成人男子が多数徴兵されたり、空襲で全国の都市が攻撃を受けて焼け野原になって膨大な犠牲者をだしたり、食料品を始めとする物資が不自由であったりと、国民にとって非常に悲惨な経験であったのは事実であり、しかも戦時体制ということで国民に対する公権力により規制・統制も非常に厳しかったわけで、それをドラマとして描くとすれば、何かしら「暗さ」「苦しさ」が出てくるのは避けられないだろう。
 それを「暗くて重苦しいのはけしからん」と潮氏に言われても、どうしろというのだろうか、作り手は困ってしまうのではないか。

 せっかく批判しているからには、潮氏は、
 「戦争中は実は楽しいことも沢山あった」
とか
 「それほど悲惨な暮らしではなく、国民は戦争に勝利すればやってくるはずの明るい未来を信じて前向きに生きていた」
とでもいう具体的な例を何か挙げて、朝ドラの描くべき方向性について説明してくれるのかと期待して読んだのだが、具体的な反証とか対案のようなものは何もなく、ただ単に
「せっかく朝8時から放送される、名実ともの「朝ドラ」なのだ。せめて、もう少し明るく描けないものか。戦前戦中を描いた朝ドラをみるたび、そう思う。」

と抽象的なことをいって記事は結ばれていく。

 しかしこんな漠然とした感想では、具体的にどのようにして欲しいのか、どこを変えれば(潮氏の基準で)善くなるのか、まったくわからない。朝ドラが戦争中を暗黒時代のように描いていてけしからんというのなら、暗黒時代でない描き方というのはどういうものなのか、それを具体的に示すのが評論家の仕事なのではないだろうか。

 ただ私なりに敢えていえば、朝ドラなどの戦争中の場面で「軍人」が登場する場合(登場するのは戦場ではなく“銃後”の国内の社会生活の場である)、とかく愚かで無能なくせに不必要に威張っているように描かれがちかなとは思う。実際は軍人にも様々な人物がいて、その立場の中でいろいろな言動をしていたはずで、有能な人物も無能な人物もいたのだろうとは思う。類型的に「軍人=愚か、無能、高圧的、国民の敵」というふうに決めつけて描くのではなく、個別的に描いてほしいと思うことはある。

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