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蓮舫に対する公正証書原本不実記載等についての告発

 蓮舫の国籍問題に関して「国籍法・公職選挙法違反」についての告発が既におこなわれていたが、12月13日に今度は「公正証書不実記載等罪(の未遂)」での告発が新たに加わった。

告発状は以下のサイトで公開されている。
http://r4kokuhatsu.wixsite.com/jouhouteikyou

ここでは、政治的な価値判断ではなく、純粋に法律的な観点からこの告発について検討してみたい。

まず前提知識として、二重国籍の人が日本国籍を選択するには、国籍法14条により:
 (A)外国の国籍を“離脱”するか
 (B)日本国籍を選択し外国籍を放棄する“宣言”をするか
いずれかの手続を要することとされており、この手続が戸籍法106条に定められているということは押さえておきたい。

 そして役所の実務としては、(A)については「外国国籍喪失届」、(B)については「国籍選択届」という書式を提出することになっている。

さて、本件の時系列の主な部分を整理すると、

(1)9月6日、蓮舫の説明によれば、台湾国籍の「放棄」の申請を台湾当局に対して行った。http://www.news24.jp/articles/2016/09/23/04341782.html

  ★正確には台湾では「国籍喪失許可申請」というようである。

(2)9月23日、蓮舫の説明によれば、台湾当局から、手続が完了したという報告と証明書を受け取り、戸籍法106条前段(★正確には第1項)にのっとって、区役所に対して外国の国籍の離脱の届出を行った。(つまり上記(A))

(3)10月15日の会見での蓮舫の説明によれば、都内の区役所に提出した台湾籍の離脱証明書が受理されず(上記(A)の手続ができなかったということである)、行政指導により、戸籍法に基づき日本国籍の選択宣言をした。(つまり上記(B)のパターンに切りかえた。ただし実際に「宣言」をした日付は不明。9月23日~10月15日の間ということになろう。)http://www.sankei.com/politics/news/161015/plt1610150010-n1.html

・・・ということになるが、このうち上記(2)の時点で、区役所に外国国籍喪失届(戸籍法106条第1項の届け出)を提出するためには、同条第2項により、外国の国籍の喪失を証明する書面を添付しなければならない。

蓮舫がどのような書面を添付したのかはわからないが、(2)の9月23日の報道によれば「私の台湾籍の離脱手続に関しまして、先ほど台湾当局から、手続が完了したという報告と証明書をいただきました」と述べていたところから、当時は、台湾籍を喪失した証明書なのかと思われていた。

 ところで、台湾の国籍に関する手続は、手続をする本人だけでなく誰もがインターネットで検索できるようになっており(このこと自体が驚きだが)、これによると、蓮舫は、国籍喪失の手続については、10月17日時点で台湾の内政部の審査が終わり、外交部に文書が送られた段階だったということである。

つまり、蓮舫が10月17日より一定期間前のどこかの時点で、台湾に対して国籍離脱の許可の申請を行ったことは事実だったようだが、9月23日の時点ではまだ国籍を喪失しておらず、10月17日時点でまだ審査中だということである。

となると、上記(2)の9月23日の時点では、区役所に対してまだ「外国の国籍の喪失を証明する書面」などまだ存在していないから提出できないはずであり、それでは一体何を提出したのかが問題となってくる。

そこで上記の告発者は、

  ・9月23日の時点では、まだ台湾籍を喪失していないから、国籍喪失の証明書などあるはずもない。しかし一応、区役所でいったんは受け付けられているからには、国籍喪失の証明書に似たような何かの別な書類を添付して、区役所の担当者(戸籍吏員)をだまそうとしたと思われる。
  まだ台湾籍を喪失していないにもかかわらず、喪失したように戸籍に記載させようとしたのだから、公正証書原本不実記載等(の未遂)の罪にあたる

と主張しているわけである。

 さて、蓮舫が9月23日の時点で、区役所に対して一体何を提出したのかについては今のところ報道がないので、現時点ではわからない。一つの推測としては、台湾当局に対して、国籍離脱許可の申請書を出して審査してもらう時に、その受領印のついた申請書副本とか、受理書のようなものは受け取った可能性が考えられる。
 つまり、「国籍喪失の証明書」はまだ発行されていないが、「国籍喪失の申請を出したことの証明書」になりうるものが発行されていたのかも知れない。

 仮にそうだとした場合、これを外国国籍喪失届に添えて区役所に提出することが、「公正証書原本不実記載等」の実行行為にあたるかどうかが問題である。

 本件で公正証書原本不実記載の罪が成立するためには、公務員に対して、真実に反する申立(届出)を行って、戸籍簿に、客観的真実に反する記載をさせることが必要である(ただし本件では未遂の問題)。さらに、上記のことを認識したうえで(=故意に)届出を行ったのでなければならない。

 蓮舫(またはその代わりに区役所に行った人物)が、区役所窓口で実際にどのようなやりとりをしたのかはわからない。
 ただ、真実はどうあれ、
「台湾当局に国籍離脱の許可の申請を行った時点で、まだ正式な離脱の許可が出ていなくても、国籍法14条の“離脱”にあたるから外国国籍喪失の届を出して良いのだとうっかり思い込んでいました。」
とか
「とりあえず提出はしておいて、区役所の担当の方に指導してもらいながら、正式に国籍の喪失の許可が出たら、その時点で証明書を出そうと思っていました」
などと蓮舫が主張したら、少なくとも公正証書原本不実記載等の「故意」(=犯罪を犯す意思)を立証するのが難しくなり、刑事責任を問うところまで持っていくのも非常に困難になると思われる。
 (もちろんその場合、刑法上の罪に問うのが困難だというだけであって、届出についての実際の経緯をまともに蓮舫が説明しなかったという別な問題は残る。)

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コメント

ご検討ありがとうございました。

蓮舫に頼まれて区役所に行った人がどんな書類を出して、どんな対応をしたのか、よく分からないですね。この人、全く説明しないで、逃げ切るつもりなのでしょうか?

「台湾当局に国籍離脱の許可の申請を行った時点で、まだ正式な離脱の許可が出ていなくても、国籍法14条の“離脱”にあたるから外国国籍喪失の届を出して良いのだとうっかり思い込んでいました。」
→二重国籍で騒がれている国会議員の秘書なり職員が、このように楽観的に考えることってあり得ますかね?許認可申請をしたから、まだ許認可は得てないけど、作業を始めてもよいと思ったというレベルの反論のように聞こえるのですが?

いずれにしろ、申請書の控えのようなものを添付して、国籍喪失届を出したとすると、証明書ではないものが、添付されているので、戸籍係の担当者はすぐに気づくはずでしょう(外国語といっても、漢字で書いてあるので、すぐ分かる)。結局、受領されないように思えますが・・・。

代理人の弁護士も付いているようだし、色々と考えた上での告発だとは思いますが、どうもすっきりしません。

考えてらっしゃる実行行為は、申請書控えを添えて提出したことですよね。添付文書は台湾語の文書でなければならないわけですから、何かを添えて提出したのであれば、それが偽造文書でない限り、私もその可能性が高いと思います。しかし、提出者の内心がどのようなものであれ、提出する書類は、外国国籍喪失届とそれを証明する文書の2つだけですよね。
「http://www3.city.sapporo.jp/download/shinsei/search/procedure_view.asp?ProcID=361
外国国籍喪失届は、ごく簡単な書類で、国籍喪失日を除けば、氏名と住所・本籍だけです。つまり、許可証を得た時点では、外国国籍喪失届に名前と住所だけ書いて、提出することになりますが、その行為になにほどの意味があるのでしょうか?そして、上記札幌市のホームページによると、提出時期は、「外国籍の喪失を知った日から一か月以内」です。「とりあえず提出はしておいて、区役所の担当の方に指導してもらいながら、正式に国籍の喪失の許可が出たら、その時点で証明書を出そう」という状況が客観的にあり得ないので、そのような故意を問題にするところまで行きつかないのではないでしょうか?

誤)つまり、許可証を得た時点では、外国国籍喪失届に名前と住所だけ書いて、提出することになりますが、その行為になにほどの意味があるのでしょうか?

正)つまり、許可証を得ていない時点では、外国国籍喪失届に名前と住所だけ書いて、提出することになりますが、その行為になにほどの意味があるのでしょうか?

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