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朝日新聞の1月1日紙面『試される民主主義』

 1月1日付の朝日新聞の1面で『我々はどこから来てどこへ向かうのか』という連載が始まった。この表題はゴーギャンの有名な絵の題名からとったもので、この連載記事自身がそのことを説明している。
 特に必要もないのに過去の文学とか美術の作品に結びつけて気取るところがいかにも朝日新聞らしいというか、もう染みついた癖のようなものかも知れない。

 連載1日目の今回のサブタイトルは『試される民主主義』というもので、このサブタイトルを見ただけで、トランプ当選や英国のEU離脱に向かう民意の“暴走”(とされるもの)を取り上げる内容だろうということがすぐに推測できてしまう。

 記事の全体的な論調は、英国のEU離脱やトランプ当選のように、民主主義が憎悪や敵対感情によって社会の亀裂を煽るように思える現象が多発しているが、やはり民主主義に代わるものはないとして、
多数決がどれほど不可解な答えを出そうとも、この道具しか私たちの手には残されていない。
 
50年後も100年後も、言葉を通じて、お互いを理解し合う努力を続けるしかない。」
というふうに結んでいる。

 最後の「この道具(民主主義)しか私たちの手には残されていない」という部分は、異論のある人はほとんどいないだろう。民主主義以外の別な政体、たとえば少数独裁とか哲人政治のようなものを樹立するべきだという人はまずいないわけで、その意味で、間違ってはいないが極めて当たり前すぎて、新聞の紙面2ページ近くをえんえんと費やしてそれしか言うことがないのかと言いたくなる。

 それよりも気になるのは、この筆者は、トランプ当選も英国のEU離脱も、「不可解」なものでしかないという立場に立っているわけで、その立場から一歩も踏み出そうとはしていないことである。賛否はともかくとして、大衆が現状についてどのような不満を感じて、トランプを当選させたり英国のEU離脱を支持したりしたのかについては、「不可解」どころか、十分「認識」「了解」「理解」が可能なはずである。
 (たとえば、「今すぐ核戦争を始めるべきだ」とか「宇宙人と交流を行おう」などと主張する候補が当選したなら、まさに「不可解」という表現を使うべきところだろう。しかしトランプ当選やEU離脱論は、そういう意味で「不可解」なわけではない。)
 せっかくの特集記事を書くからには、その不満の分析と対策をまず論じなければならないのではないだろうか。

 記事の中で非常に皮肉だと思ったのは、5年前に反格差を打ち出した「オキュパイ・ウォール街運動」の流れをくむ市民グループの関係者が、「トランプは大衆扇動で票を集めた。私たちを代表しているとは思えない。」と述べているところである。「オキュパイ・ウォール街」、つまり「ウォール街を占拠せよ」というのは、まさに大衆扇動でなくて何なのだろうか。

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