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時間をかけなければ成果が出るわけがない!労働時間と成果には関係がある!

 またまた最近の「働き方改革」の文脈の議論について。

 「工場の製造労働は、労働時間に応じて成果が出てくる。しかしホワイトカラーやクリエイティブな仕事は、労働時間と成果は関係ない。」という類いの主張が最近、掃いて捨てるほど見られるようになってきた。

 だが、果たしてこの種の言説は正しいのだろうか。“クリエイティブ”な仕事は短時間でも完成するものなのだろうか。たとえば小説家、作曲家や画家の仕事は、労働時間には関係ないのだろうか。

 たとえばあのモーツァルトはごく短時間で次々に曲想がうかんで多くの曲を作ることができたらしいが、そういうのはあくまで例外中の例外である。極めて特殊な例外的天才を基準にすることはできない。

 小説執筆だろうと作曲だろうと絵画だろうと、何らかの芸術作品を作るには、必ず一定の作業時間が必要である。

 もちろん時間をかければ必ず良い作品が出来るというものではない。時間をかけても駄作だったとか、うまく発想がまとまらずに完成できなかったとかいうことはあるだろう。
だが、時間をかけなければ、どちらにしてもまともな作品は出来ないのだ。

 つまり、たっぷり時間をかけることは、クリエイティブな仕事をする者が“成果”をあげるための十分条件ではないけれど、必要条件なのである。

 芸術家はさておき、もう少し一般的な範囲でいうと、専門的な職種の代表としてよく挙げられる医師、弁護士や税理士の場合はどうだろうか。これらの仕事の場合でも、成果と時間は関係ないのだろうか。そうではない。

 医師が診察をしてじっくり症状を検討するのは、それなりに時間をかけないと良い成果を生み出せない。弁護士や税理士は、書類や資料の検討に時間をかける。書類や資料が多ければ、それだけ時間もかかることになる。

 もちろん、かける時間が2倍になれば成果も単純に2倍になるというわけではないので、厳密な意味では時間と成果は「比例」はしない。 
 しかし、時間をある程度かけなければ成果は上がらないし、時間を長くかけた方が成果につながる可能性が高まる(ただし限度はある)という意味では、やはり「時間」と「成果」は関係があるのである。

 誤解されると困るので断っておくと、今回、このようなことをわざわざ書いた理由は、「成果を出すためには時間をかける必要があるから、労働時間規制は無理だ」とか「成果を上げるために、みんなもっと時間をかけて働くべきだ」などと言いたいからではない。
 とにかく「クリエイティブな仕事は、時間に関係なく成果を出せるはずだ」という妄想じみた言説はやめて、まずは「どんな仕事でも、成果を出すには時間がかかる(ただし時間をかけても成果が出るとは限らない)」ということを正面から認め、そのうえで、労働時間規制をどうするかについて議論するのが筋だと考えたからである。

 (なお「ホワイトカラーの仕事には、会議や問い合わせ対応など無駄な時間が多く、成果に結びつかない」という議論もあるが、これは、従事する仕事に無駄なものが含まれているかどうかの問題であって、労働時間と成果の関係の議論とはまったく別問題である。両者を混同してはならない。)

 最後にもう一度書いておこう。「クリエイティブな仕事の場合は、かけた時間と成果とは関係ない」などという妄言は、相手にしてはいけない。

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