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今回の東芝危機は「事なかれ主義」ではなく「リスク取りすぎ」の問題である

東芝の経営危機については、毎日のようにメディアで、新たな(真偽定かでないものも含め)情報が報道されたり、論者がコメントを出したりしている。

最近でも、宋文州が、「東芝問題の裏に隠された本当の問題」というコラムで、東芝の問題は、日本企業全般に共通する体質の問題であり、リスクを嫌い組織に安住するような風土が根底にあると述べていた。

東電、東芝、シャープ、ソニーなどの名門にいる社員達は「自分が誰か」よりも「自分がどこに属するか」のほうが大切です。自分がどう生きるかではなく、どうやって無事に退職できるか、どうやって組織内のピラミッドをよじ登るかが彼らの目標です。

辞める人がいないため、東芝で中途採用の社員に会ったことがありません。話によると東電の約5万人の社員にも中途入社の社員は一人もいなかったそうです。自社しか知らない、自社にしか適応できない社員の中から誕生した社長が、大きな井の中の一番大きな蛙であり、ガラパゴス島の王者です。人脈が広いが、視野が狭い。順風に強いが、逆風に弱い。気が大きいが、肝が小さい・・・。”

“・・・これは中小企業を含む多くの日本企業の共通点です。経営目標実現のための法律相談よりも、保身のための法律相談が多いのです。中小企業なのに海外企業との契約書の審査に数週間もかける現実をみて、私は呆れてもう彼らにビジネスを紹介する気にもなりません。

・・・リスクを嫌う日本的経営者が弁護士や専門家に回避対策を求めているうちに、経営リスクがどんどん次のリーダーに先送りされます。このリスクのリレーがやがて限界に達して爆発してしまうのです
。”

宋文州の指摘するような体質が東芝、ひいては多くの日本企業に存在することは事実だろう。

ただし現在の東芝の危機は、これとはまた別次元の問題としてとらえるべきである。西田社長時代に米国の原子力メーカー・ウェスチングハウス社を買収したこと(それも行きすぎた高額で)、さらに米国の原発建設工事を積極的に受注したことがその危機の原因である。

西田社長時代はこの件に限らず、東芝にしては、リスクを避ける事なかれ主義どころか、逆にかなり積極的にリスクを取る大胆な経営をしていたので、それが裏目に出たということになる。

宋氏の「日本企業は遅いし、リスクを避けたがる」という論評は、それはそれで一般論としては当てはまるし、東芝もそういう体質は極めて強い会社ではあるのだが、目下の東芝の危機はそれとは別・・・というよりむしろ逆であって、無謀なリスクを冒したことが原因である。

(敢えて付け加えれば、リスクを冒したのがダメというより、リスクを冒したあとの状況変化への対応がまずかった、ということになるだろう。)

宋氏のこの記事は、比喩的にいえば、交通事故で倒れた患者を前にして、糖尿病や高血圧などにからむ慢性的な問題についての体質改善の一般論を議論しているようなものである。糖尿病や高血圧はもちろん何とかしなければならない問題であり、それを指摘するのは確かに有意義なのだが、交通事故は交通事故で、それとは違う次元で検討しなければならない。

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