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護憲派が「天皇」を持ち出すということについて

 一昔前はあまり考えられなかったのだが、いわゆる護憲派や“リベラル”の論者・メディアが、護憲を訴える際に「天皇」を持ち出すという手法が見受けられるようになっている。

 まず、現行憲法下で即位し、憲法尊重を表明している今上天皇の個別の言動を持ち出すやり方は、今ではすっかりおなじみとなり、今上天皇が今や「護憲のシンボル」であるかのような言説も頻繁に見受けられる。

 また直近の例でいえば、5月3日の朝日新聞の記事(ハフィントンポストで全文を読むことができる)では、昭和天皇が、戦争直後の1946年に、GHQの憲法草案について積極的に受け入れるよう発言したというエピソード(を示す資料)が紹介されていた。

“ 憲法草案に「いいじゃないか」 昭和天皇の発言、メモに

 「これでいいじゃないか」――。日本国憲法起草のもとになった連合国軍総司令部(GHQ)草案の受け入れをめぐり、1946年2月22日に昭和天皇が幣原(しではら)喜重郎首相(当時)と面談した際の天皇の発言を示すメモが、憲法学者の故宮沢俊義・東大教授のノートに記されていたことがわかった。「安心して、これで行くことに腹をきめた」という幣原氏の心情も記載されている。 ”

 この記事は、様々な視点からの分析が可能だろうが、わざわざ昭和天皇が憲法草案について「いいじゃないか」と言ったということを強調しているということは、「今の憲法は、昭和天皇が積極的に受け入れることに同意したのだから、右派の人間が今の憲法を叩くのはおかしい」とでもいいたいニュアンスを読み取ることができるだろう。

 このように、護憲派が護憲の主張のために天皇を持ち出すのは、「改憲派は尊王右翼だから、逆に天皇が現行の憲法を尊重している話をを持ち出せば、へこませることができるだろう」という計算に基づいているのだろう。

 実際、改憲運動で目立つのが、日本会議のように、尊王的・復古的な流れを汲むグループの人々であることは事実だろう。

 しかし、世論の中で改憲を支持するのは、そのような“復古派”ばかりではない。
むしろ天皇に特別な思い入れのない、また復古主義的でも何でも無い人々の間に、「今の9条では安全保障上問題があるのではないか」「自衛隊を明確に位置づけるべきではないか」などと考える人が着実に増えてきており、おそらく世論の「改憲肯定」派の多数を占めていると思われる

 「改憲派は、復古派・尊王派だから、天皇を持ち出して反撃してやろう」というスタンスのメディアは、特に復古的でも尊王的でもない大衆の間で、改憲に肯定的な傾向が広がっていることをどう見ているのだろうか。

 参考:共同通信の憲法についてのアンケート(東京新聞より)

 

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