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アニメ・コミック

『忍びの国』コミック版

 「忍びの国」という映画がヒットしているようだ。

 映画のポスターには忍者姿の「嵐」の大野の顔が大きく出ていて、「我が名は無門、嫁さん以外怖いもんなし」という宣伝コピーがつけられている。

 この「嫁さん以外怖いものなし」というフレーズがやけにインパクトがあって面白いと思っていたのだが、先日、たまたまコミック版(小学館)を読む機会があった。
 原作小説も映画もまだ目にしないうちに漫画だけ読んでしまったことになる。

 2009年に月刊少年サンデーに連載されて、単行本化もされて完結してから既に何年も経っていたところに、映画公開にあわせて本をまた大々的に売り出しているのだろうが、なかなか面白かった。

 絵柄には癖があり、忍者や武士が乱戦しているところなど、誰が誰を殺しているのかわかりにくくなっている箇所も多いが、勢いは凄い。
 斬り合いで人間の身体が、まるで大根や野菜を切るようにバラバラぶった切られていくシーンがあるかと思えば、ギャグ満載のシーンもある。

 ネタバレを避けるため物語の詳細は省くが、戦国時代を舞台に、伊賀の里の忍者たちと、そこに侵攻する織田信雄(信長の次男)の軍勢との戦いを描いている。
 主人公が伊賀の忍者なので、織田方が敵=侵略者として描かれて、郷里防衛のため奮戦する忍者軍団の方に基本的に感情移入できるように描かれているのか・・・と思うと、そういうわけでもない。

 織田方はむしろ常識的な人物や義理に厚い人物が目立つ一方で、侵略される伊賀の忍者たちは、とんでもない曲者や狂気を見せる者や冷徹な人間が揃っている。ただし忍者という立場というか職業の特異な性質上、そのようになってしまったということであり、その中で苦悩する者の姿も描かれている。

 どちらの側にもそれなりに共感できる人物がいるので、自分なりに気にいったキャラを中心に読む楽しみ方ができるが、私自身は、織田勢の日置大膳(信義に厚く剛直な武人)と、柘植三郎左衛門(曲者のように見えるが、至って常識人)という2人が非常に印象に残った。(これはどちらも歴史上実在の人物。)

「サザエさん」を理想とする日本会議は大丈夫か?

 毎日新聞の記事 によれば、日本会議の関連団体が製作した啓発用DVDで、憲法24条(★注)により家族の解体が進んだ結果、様々な社会問題が起きているとして、3世代同居のサザエさん一家を理想として持ち上げているということである。

(★ 日本国憲法第24条は次のとおり。

  「  第1項 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
   第2項 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。 」

 詳細は省くが、平等な男女が個人として自由な意思により婚姻して成り立つ「夫婦」が家族の基本単位とされている。)

 このように、日本会議のようないわゆる"保守"系とされる論者には、2世代や3世代が同居する大家族を理想とする主張をする人が見受けられる。(このような大家族の形が、いつの時代から日本にあったのか等々の話になると、おそらく複雑な議論になってしまうと思うが、そこは省略する。)しかしこのような大家族が解体してきたのは、憲法24条や左翼(?)思想のせいではなく、大都市圏の発展や高度経済成長が進み、農林水産業や自営業が衰退してサラリーマン(賃金労働者)が多数を占めるようになったことなどが原因だろう。

 実際問題として、仮に3世代同居の大家族を作ろうと思ったら、それなりの大きな一戸建ての住宅が必要となるが、一体どこに建てれば良いのだろうか?予算、通勤や通学との兼ね合いなどでたちまち困難に陥ってしまう。(ただし農林水産業や自営業であれば、「通勤」は考慮に入れる必要はない。)

 また、企業なり役所なりに勤務している夫(場合によっては妻も)が転勤を命じられたら、どうするのか。子どもを地域の公立学校ではなく遠隔地にある進学校に行かせたい場合はどうするのか。
 さらに、こういう心配以前に、そもそも雇用も賃金も不安定で、家を建てるどころか、結婚も出産もおぼつかない者の場合は、どうすれば良いのか。

 このように、2世代や3世代同居の大家族を"復活"させるのが困難なのは、憲法の問題ではなく、現実問題として必要な条件を整えることができないことが原因なのである。

 折も折、皮肉なことに「サザエさん」の視聴率の低迷が話題になっている(たとえばこの記事参照 )。あまりに現実とのギャップが激しく、昭和時代にノスタルジーを感じない視聴者にとっては、ほとんど異世界の出来事としか思えないからであろう。
 東京都内で、広い庭を備えて1階で用が足りるほど広い一戸建てに住み、会社勤めの夫が夕方早く帰ってきて全員で夕食を食べる「サザエさん」の世界は、逆説的な意味では確かにある種の“理想”かも知れない。現実には決して得られないだろうという意味の“理想”である。

 安倍政権の支持率は高く、世論の中に比較的“保守”寄りの声も多いとは思うが、さすがに日本会議の唱える大家族志向にはついていけない人がほとんどだろう。

集英社「学習まんが 日本の歴史」新シリーズ刊行

高校時代のとある同窓生(執筆に関与している)から情報をいただいたので、宣伝というのでもないが、ここでご紹介しておきたい。

集英社から「学習まんが 日本の歴史」全20巻の新シリーズ が10月28日に刊行されるそうである。

Set_2

ご存じの方も多いと思うが、この集英社は、昭和時代から、「日本の歴史」の学習漫画のシリーズを何度も刊行して更新を繰り返してきており、現在売られているのが3代目で、今度刊行されるのは4代目となる。

初代は、監修・和歌森太郎、漫画・カゴ直利ほか(全18巻)で、昭和43年。

2代目は、監修・笠原一男、漫画・久松文雄ほか(全18巻)で、昭和57年。

3代目は、監修・岡村道雄、漫画・岩井渓ほか(全20巻)で、平成10年。

初代は私が小学生の頃に買ってもらって、何度も何度も読みふけったものである。第1巻ではヤマトタケルや神武天皇が詳しく取り上げられてたり(もちろん神話としてである)、南北朝時代を扱った巻では南朝方の日野資朝の息子が父の仇を討つエピソード(現在はともかく戦前は道徳教科書で取り上げられたらしい)がやけに詳しく描かれていたかと思うと、最後の昭和戦後の巻では、朝鮮戦争を仕掛けたのは米国側だとされていたり(現在ではもちろん否定されている)、今の時点とかなり視点が違う叙述が多くみられるが、絵に勢いがあり、読み物としての面白さはバツグンである。

2代目は中古で買いそろえたが、初代に比べるとだいぶ大人しく薄味になってしまっている。久松文雄が絵を担当した部分はそれなりに絵に味わいがあるが、他の部分は人によりけりである。

現行の3代目は、本屋で時々立ち読みをしたことがある程度だが、絵の担当者が従来よりも多く分散してバラバラな印象を受ける。ただし学問的には最新の状況を反映しているのだろう。

今度出る4代目はどのようなものか、なかなか楽しみである。

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