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日本人論

1985年生まれ世代のあたりで政治的感覚に大きな断絶がある件

政治的なものの考え方・感じ方が、世代毎に大きく異なるのではないかということについて、何度かブログで述べたことがある。

共産圏を知らない子どもたち
アンケート実施!あなたはいくつ「YES」がありますか?(世代毎の政治的体験の傾向)

ここで改めて考えてみると、比較的若い世代の中でいえば、1985年生まれあたりが、一つの大きな分岐点なのではないかという気がする。

もちろんアンケートでの意識調査などしたことはないのだが、以下、大雑把な印象で述べる。

おおむね1985年以降に生まれた世代は、次の3つの特徴が挙げられるだろう。

(1)ソビエト連邦などの「共産圏」「社会主義国家」「東側諸国」をリアルタイムで知らない

(2)昭和天皇をリアルタイムで知らない

(3)中華人民共和国に対する、左右を問わない圧倒的な称賛ムードを経験していない

まず(1)については、ベルリンの壁が崩壊したのが1989年、ソビエト連邦が消滅したのが1991年であり、1985年頃に生まれた人は、当然、これらの出来事をほぼ記憶していないといえるだろう。

次に(2)については、昭和天皇が崩御したのは1989年だから、1985年生まれの人は、昭和天皇が「天皇」である次代の雰囲気を覚えていないはずである。

最後に(3)は、いわゆる天安門事件が起こったのがこれまた1989年であり、中国の共産党政権が学生や市民運動を弾圧したことがメディアを問わず大々的に報道されたのは、これが初めてであった。それより前は、日本のメディアや政財界は、一部の例外を除き、左右問わず日中友好ムードが圧倒的だったのだが、それが急に変わっていたきっかけが、この天安門事件なのである。1985年生まれなら、物心ついた頃には、中国に対して突き放した感じの論評が増えてきていたはずである。

そして(1)は、「資本主義がいずれ革命や平和的移行により社会主義に変わっていく」という主張に(同意するか否定するかは別として)リアルタイムでは接した経験がないということであり、それどころか「資本主義諸国と社会主義諸国が競争している」という状況すら知らないことも意味する。物心ついた頃から、資本主義国家しか知らないということである。(1990年代以降は、中国も経済面では「資本主義国家」と呼ぶべきだろう。)

また(2)は、リアルタイムでは今上天皇しか知らないということであり、それは、憲法擁護や戦争への慰霊を強調する天皇しか知らないということでもある。第二次世界大戦の責任と結びつけられて語られる天皇、かつて軍を統帥する大元帥だったことがある天皇という存在を、リアルタイムでは経験したことがないのである。

さらに(3)は、中華人民共和国という国について、最初から多かれ少なかれ違和感や距離感をもって育ったということであり、1970年代の日中友好ムードとか、毛沢東や文化大革命の賛美などの風潮の影響を受けていないということである。

このブログを読んでいる人の中で、1985年生まれ以降の世代がいたら、周囲の年上の人に質問してみると面白いかも知れない。

「ソビエト連邦があった時代は、世界はどのように見えていたのか」とか「昭和天皇について世間の人々はどう思っていたか」とか「中国との友好ムードが強調された時代は、どんな雰囲気だったのか」など。

神社本庁の「日本人でよかった」のポスターの中国人モデルに帰化してもらおう!

神社本庁が2011年に「私 日本人でよかった」というキャッチコピーを付けた女性の写真を使ったポスターを製作し、6万枚作成して全国の神社に配布していた。これは日の丸掲揚を提唱する趣旨のポスターだという。

ところがこの写真のモデルの女性は、なんと中国人だったということで、ネットで話題になっている。
いろいろな写真の画像ファイルを有償でダウンロードして利用できるサービスの会社「ゲッティ・イメージズ」の女性モデル画像を業者が使ったのだが、それは中国人女性だったのだ。

(参考)
ハフィントンポストの記事


神社本庁は今のところ、特に問題とするつもりはないようだが、そうは言ってもせっかく「日本人でよかった」というポスターを作ったのに、モデルが中国人女性というのではガッカリで、“国旗掲揚”の啓発のポスターの効果に水を差されたような気分になるのではないだろうか。
しかし物は考えようである。発想を逆転して、この中国人女性を探し出して(上記のハフィントンポストの記事によれば、撮影したカメラマンには特定して接触できているから、女性を探すのも不可能ではなさそうだ)、日本に帰化してもらってはどうだろうか

この女性が日本に帰化すれば、「日本人でよかった」のポスターのモデルは「日本人」だということになるから、何の問題もなくなる。
ただし帰化するためには様々な要件をみたして、法務大臣の許可を得ることが必要だから、必ず実現できるとは限らない。
帰化のための具体的な要件は、国籍法第5条第1項に定めがあり、「引き続き5年以上日本に住所を有すること」「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること」など、なかなか面倒だ。
しかも、この第5条第1項の要件を充たしても、必ず法務大臣が帰化を許可しなければならないわけではない。帰化を許可することが「できる」というだけである。
いずれにしても、この女性が現在中国に在住しているとすれば、「5年以上日本に住所を有すること」という要件を充たしていないことになり、少なくとも今の時点では帰化できないことになってしまう。
しかし別な手がないわけではない。
国籍法の第9条を見てみると、「日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、第5条第1項の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。」と規定されており、「特別の功労」がある外国人なら、さきほどの第5条1項の面倒な要件を充たさなくても、帰化の許可を受ける道があるのだ。

この中国人女性は、国旗掲揚の啓発ポスターのモデルになってくれたのだから、「日本に特別の功労のある外国人」といえるのではないか。あとは法務大臣と国会次第で、この女性に日本人になってもらえるのだ。
この女性が本当に「日本人になれてよかった」と言ってくれるなら、なかなか素晴らしいことだろう。

(以上、もちろん冗談です。というかご本人の意思を何にも考えていませんが。)
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